「石積みワークショップ」がもたらすもの

写真では分かりづらいですが、かなりデコボコしています

 

 2019年度から早川町でもスタートさせた、石垣修復技術を学ぶ「石積みワークショップ(石積み学校 in 早川町)」。2020年度も実施していく予定でしたが、新型コロナウイルス感染者が拡大している社会状況に鑑み、5月に計画していた回は中止にしました。
 先々の見通しも立たない中でしたが、これまで早川町内で修復してきた石垣の様子を見て、ある町民から「うちの石垣も直してもらえないだろうか?」と問い合わせがありました。5月半ばには政府による緊急事態宣言も解除されたので、「石積みワークショップ」を開催しての修復も検討しましたが、いわゆる爍殻瓩鯣鬚韻詭榲と、今後のワークショップ予行演習を兼ねて、‶地元民講師疚鬚盞麑海垢訝甘スタッフ自身で修復を試みることにました。

 

必要以上に巨大な石が、そのまま積まれていて

床掘りまでの精神的負担が大きい

 

 上流研の「石積みワークショップ」は、河川上流域で引き継がれてきた山の暮らしの価値への理解を広げる取り組みの一環です。参加者の皆さんには、修復技術を学ぶだけでなく、そこに猊景の復活瓩持つ可能性を、その当事者として感じとってもらいたい。
 だから、こうして「直してほしい」という要望や問い合わせをもらうのは、とても嬉しいことなのです。地元集落が活気づくような、そんな石垣として蘇らさせるべく、頑張って参りましょう!

 

正連を使わないと外せない石ばかり

しかも、ぐり石が入っていません

 
 作業は2日間にわたっておこないました。想像していたよりずっと巨大な石が積まれていたため、まず石を取り外す作業自体が大変でした。そして、予想通りぐり石がほとんど入っていません。石垣が孕み出すだけでなく、奥に凹み込んでいたのはそのためですね。おまけに、植えられた庭木の大きな根も貼り出してきていました。

 

作業スペースが巨大な石で埋まってしまいました

 
 地面が通路と水路を確保するためにコンクリート舗装されていたため、コンクリを傷めないように、外した石は重くても、丁寧に置いていきます。同時に石の仕分けもしていかなければならないので、大変です。
 床掘りが終ったところで、確保すべきぐり石の量も見通しが立ちました。ここまでの作業を通じて、この石垣がどの側(方位)を意識して築かれたものかが、よく分かってきます。集落のメインストリートを意識したものと思い込んで取り掛かりはじめましたが、どうもそうではなさそうです。あるいは、通路と水路の建設に伴って、意図が変更されて積まれたのかもしれません。
 
 いずれにせよ、その時とは状況が変わったのですから、現況に合わせて、メインストリートへの景観を意識した石垣として復活させました。必要以上に巨大な石の処理や、既存部(崩さずに残した部分)との接続に癖があり、難しい現場でしたが、なんとかきれいに仕上がったと思います。また、一部、既存の石垣を残したことで、いつかこの石垣を再度修復するときが来たら、そのときの積み手さんたちは、この石垣の景観がもたらす時代の変遷を、何かしら感じとってくれることでしょう。未来へのメッセージ、そういう面白みを感じるのも、石垣修復の魅力だと思います。
 2日目は、ほかの上流研スタッフ2名が、職員研修を兼ねて作業アシスタントを担ってくれたので、効率よく一気に進みました。お疲れさまでした。施主さんも喜んでくれているようで、何よりです。

 

 
 早川町では、コロナ禍が落ち着いていれば、11月後半に「石積み自習室」(早川町での石積みワークショップ、もしくは他地域での「石積み学校」に参加経験のある人に限定した、技術研さんの場作り)を、12月半ばに第3回「石積み学校 in 早川町」を開催する予定です。ぜひご参加ください。

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