早川北小学校「緑の少年隊」ツアー

シッコ山ってどんなところ?


 この日、早川北小学校の4〜6年生が参加する「緑の少年隊」活動で、早川町のシッコ山ツアーがおこなわれました。ガイドは生態計画研究所・早川事業所(南アルプス生態邑)所長の大西さんです。
 

 シッコ山とは、現在の早川町早川集落から林道を上り、集落の東にある、標高700〜900mあたりの山の上にある、広い平地の呼び名です。貴重な植物の群落地となっていて、平成12年に天然記念物として、早川町の文化財に指定されています。
 現在の早川集落は、もともとこのシッコ山に住み着いた人々が下ってきて形成したものと言われており、現在も集落の人々との深い関わりが続いています。その中でも今回は、早川集落の皆さんが大事に守ってきた、大きなトチノキを見学するツアーというわけです。

 

双眼鏡の使い方を再確認

 

地図の中に見つけてみよう

 

地形図から読み取れる特徴は?

 
 集合はヘルシー美里玄関前。4〜6年生までの高学年児童、保護者同伴で参加する低学年および未就学の児童、そして保護者と学校教員の、合計11名が集まってきました。
 大西さんによる概要説明の後、2台の車に分乗して、シッコ山の標高800mを越えた付近まで移動します。途中、早川集落の人たちが、トチの実などの収穫物を背負って下ったという、その急斜面に接した林道から、早川本流対岸の黒桂集落や西之宮集落、白根山脈方面の山々の様子などを伺います。身近な生活の地を、普段とは違う視点で眺めてみるのは、子どもたちにとっても面白いようです。

 

あそこはなんて集落かな?

 

何が見えるかな?

 

さあ、現場に着いたよ

 

レクチャーを聴き入る児童たち

 
 シッコ山に到着し、こういった場所に入るときの心構えとして、まず大西さんから言われたことは、「このエリアは、野生動物が日常的に利用している場所なんだ、と捉えるのが基本だよ」ということ。ツキノワグマのような、狂暴化すると危険な動物も出入りする場所です。そういった野生動物に遭遇した時の対処についてもレクチャーを受けます。
 一通りの話を聞いて、質疑応答の後は、いよいよ大きなトチノキを目指して歩み入ります。

 

これは炭窯跡。いつまで使われていたんだろう?

 

ディアラインがくっきり浮かび上がるね

 
 まずは入り口付近の斜面に築かれた、かつての炭焼き窯の跡を見学して、そこから登ると、すぐに小高い平地になっていて、周囲の見渡しがよいのに驚きます。いわゆる爛妊アライン瓩箸いΔ發里如¬鄒献轡が非常に増えている状況に思いを馳せます。その後、アブラチャンやクルミ、野鳥ばかりでなくツキノワグマも成熟した実を好むという、ミズキといった特徴的な植生について学びながら歩みを進めます。
 そこで突如、大西さんが熊鈴がチリチリリリンと鳴らしました。「えっ!?」、と緊張が走ります。ツキノワグマのつい最近の痕跡があると言うのです。見ると、枯れ木の木質部が散乱していて、これはツキノワグマが、アリやカミキリムシの幼虫を求めてほじくったもの。本当に新しい食痕のようです。

 

アブラチャンの臭いはどんなかな?

 

ミズキの葉っぱには特徴があるね

 

ツキノワグマは、ミズキの実を求めて

高くまで登ってしまうこともあるんだって

 

「本当〜?」

 

ツキノワグマにとっては、カブトムシよりも

アリの巣の方がありがたい。 なんで?

 

イノシシの真似をして、土を

ほじくり返してみる児童

 
 その後もザトウムシの様子を観察したり、ほじくり返した地面からイノシシの体についての解説を受けたり、あちこちで立ち止まりながらゆっくりと進んでいくと、出ました、大きなトチノキです!!
 児童が手を取り合って囲むと、幹周は5mを越えていることが分かります(両手を広げると、その長さはほぼ身長に相当します)。広葉樹でこれだけの巨木は、大変珍しいそうです。シッコ山には、早川集落の人たちが大事に守ってきた、このような大きなトチノキが、いくつもあるのだとか。先日の台風10号の風によるものでしょうか、まだ落果には時期の早い栃の実を見つけ、後で切り開いてみると、ころんと栗のような、綺麗な栃の実(正確には種子)が出てきました。

 

樹齢100年以上!

 

手をつないで、幹周を測ってみよう

 

つるつるころりん、きれいだね

 
 さあ、お腹も減った。帰ろう。ゆっくりと歩を進め、盛りだくさんの自然体験によってずいぶん奥まで入り込んだ気でいましたが、車を乗りつけた林道は目と鼻の先でした。そんな短い帰りの行程でも、またもツキノワグマの新しい痕跡を発見することができ、興奮冷めあらぬまま下山してきました。
 かつて人が暮らし、集落が形成されていたという山の上の平地で、ほんの小さなエリアの中にもかかわらず、植生の成り立ちや野生動物の過ごし方を学び、大事にされてきた食文化までをも忍ぶ、午前中のみのプログラムであったとは思えないほど、ボリューム満点のツアーでした!

 

ああ、楽しかった!

 

汗もかいたし腹ペコだった

スイカの差し入れ、嬉しいね

 
 短い時間の中でしたが、この深い体験が、子どもたちの中で、これからどのように育まれていくのでしょうか。私たち大人もその当事者です。楽しみですね。

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