北小の「お宝発見」取材2018 その2

 

 「お宝発見」は、地域の人が先生になって、やってきた事や現在取り組んでいる事を子どもたちに紹介する、早川北小学校でおこなわれている特別授業の一つです。

 

 この日の狎萓賢瓩蓮∩畧酊内の人形作家・辻一浩さん。人形制作を始めて約20年の辻さんは、早川町で生まれ育った人。早川北小学校に統合される前の、旧三里小学校を卒業しました。かつては町外に住んでいましたが、Uターンして、現在は自宅近くの空き部屋をアトリエにしています。
 辻さんが主に制作するのは、球体関節人形という、人形自身が自由なポーズのとれる人形です。頭の角度を変えることで、同じ人形がうつむいて悲しげな表情をしたり、逆に楽し気な表情に変わったり、子どもたちを魅了していきます。

 

 

 

 

 旧三里小学校時代の思い出や、人形作りを始めたきっかけ、人形を欲しがる人の特徴や制作の苦労、自身のプライベートな情報までも、包み隠さず話していきます。自分のことを芸術家とは思っていないという、気さくな人柄です。
 そして最近は、操り人形にまで制作の幅が広がっているのだそうです。これは、球体関節人形の狷阿瓩箸いζ団垢北ノ擦気譴榛邁箸梁燭が、必然的に辿る道なのだとか。その話をしたときの、子どもたちへのメッセージが印象的でした。

 

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人形を作るってことは、何の人形なのか、分からなければならないでしょう? そのためには、作りたいもののことをよく知らなければならない。
このカワセミの操り人形を作るときも、作ってみて、アヒルや白鳥に見えちゃったり、トンビに見えちゃったらダメだから、野鳥公園にほとんど一日いて観察したんだ。どんな形をしているのかな、カワセミの顔は、横からはどう見えるのかな、羽の形はどうなっているのかな、羽はどう動くのかな・・・。一つひとつ勉強しなければならない。
小学校のとき、「なんでこんなに勉強しているんだろう? なんで勉強しなくちゃいけないんだろう?」、そんなことを考えたことがあった。けど、いまこうやって人形制作のために、いろんなことを勉強していると、「ああ、子どものとき、僕は勉強の仕方を学んでいたんだな」って思うんだよね。
勉強の仕方を知らなければ、何かやりたいことがあったとき、手が出せなくなっちゃう。何かやりたいことができたときに動き出せるように、だからみんなも、教科書に書いてあることを分かるってだけじゃなくて、子どものときに、勉強の仕方をしっかり学んでほしいな。
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(以上、辻さんの言葉を筆者が要約)

 

 早川町で育つ後輩の子どもたちは、メッセージをどのように受け止めたでしょうか。

 

 

 そしてこの日は、特別授業がもう一つ。山梨大学で生命環境(生命工学)の研究者として、微生物を専門とする長沼孝文先生の授業もおこなわれました。

「ばい菌って言ったら悪い印象を持つかもしれないけど、爐个ざ櫚瓩辰特噂磴鉾生物と細菌を指すだけの言葉で、悪い意味じゃないんだよ。しかもその中で、ヒト(人類)に害を及ぼすのは、たった0.01%以下。ほとんどの菌は、ヒト(人類)に悪さをしないの。だったら猴達瓩箸靴董仲良く付き合った方がいいよね」

 大学と部活で、北小の校長先生とは先輩となる間柄なのだそうで、冗談や格言などを織り交ぜながら、軽快な口調で微生物の世界を子どもたちに伝えていきます。3年生以上を対象にした授業ですが、2年生も聴講して、楽しく過ごしていました。

 


 そんな長沼先生の、子どもたちへのメッセージは「よく笑おう!」というものでした。「笑う門には福来る」って言うでしょ? 笑うから福が来るのであって、幸福だから笑うわけじゃないんだよ、と。意外だったので、なぜそのようなメッセージを伝えたのか、その訳を授業の後に聞いてみました。

 

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微生物のことを突き詰めていくと、やっぱり人間との違いについて注目するようになってくる。
人類は微生物と違って、環境に慣れることができる。微生物はそれができない。私の専門は、微生物に条件を変えた環境を与えて、そこから生み出される結果を導き出すこと。微生物が地球上に現れて、もう数十億年の歴史がある。長い歴史を持つ微生物が、誕生した時と同じ場所から発見される、ってことが実際にある。環境って一番大事。
人類が環境に慣れることができる、っていうことは、必ずしも良いことではない。人類にとって不都合な環境でも、慣れてしまう。慣れて馴染んでいくうちに、いつの間にか取り返しのつかない環境になってしまっているかもしれない。『2050年問題』っていうのもあるけど、あの子どもたちが、それを乗り越えられるかどうか。笑いによるストレス解消っていうのは、人間の特権だからね。
長い歴史を持つ微生物のことを考えて思うのは、古くから伝わる格言や慣用句っていうのは、やっぱり大事なんだよね。
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(以上、長沼先生の言葉を筆者が要約)

 

 

 上流研にとっても、大切なメッセージでした。
 困難な課題が目の前に立ち現れた時、自分で考え、笑って乗り越えられるよう、特別授業を聴いた子どもたちには、この日の2人の狎萓賢瓩離瓮奪察璽犬猟未蠅法∩畧酊で育つ時間を、大切に過ごしてほしいと思います。

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